2025年5月20日の関連記事「学生アルバイトの社会保険の扶養基準年収150万円まで拡大へ」で方向性の検討とされていた、19歳以上23歳未満の人の健康保険の認定対象者の年間収入について、現状、年間収入に係る認定要件の額が現状130万円未満であるところ、認定対象者(被保険者の配偶者を除く。)が19歳以上23歳未満である場合にあっては150万円未満として取り扱うことが正式に決定しました。この取扱いは2025年10月1日から適用されることになっています。
厚生労働省からは、関係各所に向けた通達が発出され、通達とともに取扱いに関するQ&Aが公表されています。そのQ&Aでは実務的な取扱いとして留意すべき点がいくつか示されていますが、特に気を付けたい点としては、年齢要件(19歳以上23歳未満)の判定については、所得税法上の取扱いと同様、その年の12月31日現在で行うと示されています。
例えば、2026年10月に19歳の誕生日を迎える場合には、2026年(暦年)における年間収入要件は150万円未満となります。その後、2030年10月に23歳になるため、2030年(暦年)における年間収入要件は130万円未満に、いわば戻ることになります。18歳であっても年間収入を150万円で判断することや、22歳であっても年間収入を130万円で判定することがある点に注意が必要になります。
なお、通達やQ&Aは今後、厚生労働省のホームページで公表予定のようですので、公表された際には、その他のQ&Aも確認されることをお勧めします。
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2025年5月20日「学生アルバイトの社会保険の扶養基準年収150万円まで拡大へ」
2025年度の税制改正において、現下の厳しい人手不足の状況における就業調整対策等の観点から、19歳以上23歳未満の人(特に大学生のアルバイトを想定)について、特定扶養控除の要件の見直し及び特定親族特別控除の創設が行われます(2025年12月1日施行)。これにより所得税においては、給与収入150万円まで得たとしても、その親等が特定扶養控除と同額(63万円)の所得控除を受けられるようになります。
これに伴い、19歳以上23歳未満の人の健康保険の認定対象者の年間収入に係る認定要件も2025年10月から変更の方向が示されました。具体的には、年間収入に係る認定要件の額が現状130万円未満であるところ、当該認定対象者(被保険者の配偶者を除く。)が19歳以上23歳未満である場合にあっては150万円未満として取り扱うというものです。