老後も続く保険料や税金の負担
2023年4月13日に行われた衆院本会議において、健康保険法等の一部を改正する法律案が可決されました。
これにより、出産育児一時金の支給額の引き上げや、医療保険制度の基盤強化等が目指されます。
中でも注目したいポイントは、後期高齢者医療制度の保険料の引き上げではないでしょうか。
後期高齢者医療制度とは
まずは後期高齢者医療制度の基本的な仕組みを整理しましょう。いずれは誰もが加入する公的な健康保険となります。
加入対象者
・75歳以上のすべての方
・65歳以上の一定の障害のある方
後期高齢者医療制度の保険料は都道府県によって異なります。例えば東京都の場合、均等割額4万6400円+所得割率9.49%の合計が保険料となります。
現状では保険料の上限が年間66万円となっていますが、今後は上限額が引き上げられる可能性があります。
さらに現役世代が加入する国民健康保険においても、上限額の引上げは毎年のように行われています。
改正で高齢者の負担は重くなるのか
健康保険法等の一部を改正する法律案が可決されたことにより、今後は後期高齢者医療制度に加入する高齢者の、保険料負担が高まることが懸念されます。
高齢者をめぐっては、介護保険の保険料の引上げや国民年金の納付期間の延長案等も出ており、あらゆる面で負担が増えることになるでしょう。
一方で、それを支える現役負担も考慮しなければなりません。
2025年には、団塊の世代がすべて後期高齢者となります。
後期高齢者の医療制度は、加入者である高齢者が支払う保険料だけでなく、現役世代が加入する保険や税金からの拠出金によって運営されています。
現役世代は医療にかかる機会が少ないこともあり、支え合う構造を維持するためには高齢者の負担が不可欠となっているのです。
2022年10月には、後期高齢者の医療費負担として「2割負担」が新設されました。
一定の所得がある方は、これまでの1割負担でなく、2割負担で医療を受けるというものです。
このように、時代背景や課題により、法律の改正は今後も続くと考えられます。